世界から絶賛される「熊野筆」を求めて「筆の里工房」へ

広島県安芸郡の熊野町は、日本一の生産量を誇る筆の名産地。

180年以上の歴史をもつ「熊野筆」は、その高いクオリティから、長年にわたり多くの書家や芸術家に愛されてきました。

さらに近年は化粧筆の生産も盛んで、世界トップクラスのメイクアップアーティストに愛用されているのだとか。

そんな「熊野筆」の歴史や文化を紹介する「筆の里工房」では、見て触れて体験して、五感で筆の魅力を再確認できます。

体験 広島県 安芸郡 Vol.2 2019/11/14

文字の発達とともに形を変える筆の歴史が興味深い

エントランスから地下の展示スペースへ向かうと、中央に吊るされた世界一の大筆にびっくり。

 

長さ3.7m、重さ約400kgという巨大な筆は迫力満点です。

 

その周りには、筆と文字の歴史が実物展示やパネル、動画で分かりやすく紹介されています。

 

展示だけでなく、実際にさまざまな種類の筆を使って絵や文字を書ける体験コーナーがあったり、伝統工芸士による筆づくりの実演が見られるなど、子供から大人まで楽しめる充実の内容。

 

普段筆を使う機会が少ない人も、筆で何を描きたい欲求がふつふつと湧き上がってくるはずです。


細かな工程を経て作られる渾身の一本

ここではぜひ筆づくり体験(3500円)に挑戦してみましょう。

 

筆づくりには12の工程がありますが、その中の「上毛巻き」と「仕上げ」のふたつの工程を、伝統工芸士の手ほどきで体験することができます。

 

「上毛巻き」とは、芯となる毛に上質な毛を薄く均一に巻きつける工程。

 

上毛は、筆の滑りをよくしたり、使用時に短い毛が出てくるのを防ぐものなのだとか。

 

これまで何度か筆を使ったことはありますが、筆の毛が二層になっているなんて気づかなかった……。


そうして整えた穂首(毛の部分)は軸に付けてもらい、糊をたっぷりと付け、くし通しをして、よごれを取りながら毛をまっすぐにしていきます。

 

最後は、穂首に糸を巻きつけ円錐状になるよう筆を回しながら糊を搾り取って完成!

 

細い毛の一本一本を相手にするだけあって、どの作業も恐ろしく繊細。

 

職人たちはこれを筆の太さや毛の種類、状態に合わせて作り分けると言うから驚きです。


さまざまな熊野筆が種類豊富に揃うショップも必見

館内には、熊野町内の筆製造業者31社のアイテムを扱う熊野筆ショップもあり、1500種類もの書・画・化粧の筆がずらり。

 

試筆したり専門家のアドバイスをもらいながら好みの筆を選べるのが嬉しいですね。

 

水辺のギャラリーが見渡せるカフェや、熊野町内を一望するテラスも居心地がいいので、ゆったり過ごすことができますよ。


筆の里工房

住所
広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
電話番号
(082)855-3010
営業時間
火〜日10:00〜17:00(入館は〜16:30)※祝日は開館、翌日休館
WEBサイト
http://fude.or.jp
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