サステナブル時代に再注目される「中川木工芸」の木桶

室町時代から続くといわれる”木桶”の文化。

江戸時代には特に盛んに使用され、人々の生活に欠かせないものとなりました。

日本の叡智が詰まったこの伝統を守り、その魅力を発信し続けているのが「中川木工芸」です。

代々続く定番アイテムをつくる一方で、近年は表現が難しいデザイン性に富んだ革新的な作品の製作にも挑戦し、海外からも高い評価を受けています。

工芸品 滋賀県 大津市 Vol.7 2020/10/27

木桶の常識を超えた美しいフォルムのアイテムがたくさん

田畑に囲まれた緑豊かなロケーションにひっそりと佇む「中川木工芸」。

 

店舗に一歩踏み入れると、爽やかな木の香りにふわりと包まれ、さまざまなサイズやデザインの木桶が出迎えてくれます。

 

木桶というと、おひつや寿司桶などの断面が丸い円柱型をイメージしますが、工房には雫型や木葉型、三角形など見たことのない形の木桶も並び、その見慣れない多様な表情に驚かされます。


木桶は直しながら永く使い続けられるエコな道具

「木桶の側面は何枚かの木の板を組み合わせてつくるので、大きな木を掘り出してつくる器などに比べてロスがずっと少なくてすむんです。また、壊れた時は傷んだ木を新しいものに入れ替えることで直せるので、永く使い続けられるのも特徴です」

 

こう語ってくれたのは、三代目の中川周士さん。

 

プラスチックに台頭され、近年は普段使いをする人が少なくなっている木桶ですが、エコやサステナブルといったキーワードが話題になり始めたいま、再び脚光を浴びているのだそう。

 

特に、環境への意識の高い欧米諸国での注目度が高いのだとか。

 

「日本ではノスタルジックなイメージがありますが、海外では社会を変える革新的な文化だと捉えられているようです」


知っているようで知らない木桶の構造

併設の工房では、事前に問い合わせをすれば製作の様子を見学させてもらえます。

 

工房の壁には大小さまざまなサイズのかんながずらり。

 

手のひらサイズの小さなものから3mほどある大きなものまで、工程やつくるものに合わせて使い分けるのだそう。

 

木桶を見て触れたことはあっても、どのような構造になっているのかは意外と知らないもの。

 

製作工程を見せてもらうと、木桶がいかに無駄なく計算し尽くされたつくりになっているのかが実感できます。

 

接着剤も使わずにピタッと木が組まれる様子には快感すら覚えますよ。


ショップでは、あまり外に流通していない商品や値下げ商品が並ぶこともあるので、気になるアイテムがあれば気軽に手にとってみて。

 

一生モノ、いや、世代を超えて使い続けられる逸品と、運命の出会いができるかもしれませんよ。


中川木工芸比良工房/草庭

住所
滋賀県大津市八屋戸419
電話番号
077-592-2400
営業時間
月〜土10:00〜17:00(不定休あり。日曜も営業の場合あり)
WEBサイト
https://nakagawa.works
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