金属のイメージを覆すアイテムを手がける「シマタニ昇龍工房」

鋳物の街、高岡でもう一軒訪れたいのが「シマタニ昇龍工房」。

明治42年の創業以来、寺院用のおりんを専門に製造している工房ですが、近年はその技術を生かした「すずがみ」シリーズが国内外で注目を集めています。

工房では、全国でも数少ないおりんの製作の様子を見学させていただくとともに、人気の「すずがみ」作りを体験することもできます。

体験 富山県・高岡市 Vol.3 2020/02/11

全身に響き渡って心身を癒す重厚な音色

まずはおりん作りについてのレクチャーから。

 

工房には大小さまざまなかなづちがずらりと並んでいるのですが、その数なんと100種類あまり。

 

これらを使い分けて、黄銅板を少しずつ手作業で形作っていきます。

 

一番重要な工程は「調音」。

 

おりんを叩いては音を聞き、また叩いては音を聞き……。

 

「甲・乙・聞」の3つの音のうねりを職人の勘のみを頼りに調音していくのですが、これをマスターするには10年以上の経験がいるのだとか。

 

そうして完成されたおりんの音色は、周囲をふわりと包み込みながら体の芯に深く浸透する魅惑の響き。

 

神聖な音色を奏でる「シマタニ昇龍工房」のおりんは、全国各地の寺院で愛用されています。


金属なのに手で自在に形を変えられる「錫の紙」

この高い鍛金の技術を生かして近年生まれたシリーズが「すずがみ」です。

 

その名の通り、紙のように薄くて自由に曲げることのできる錫の器は、圧延された錫の板を繰り返し金鎚で叩くことで、模様を付けるだけではなく、繰り返し曲げることに耐えられる強さを備え付ける、鍛金職人だからこそ作り出せるアイテム。

 

金属なのに自由に曲げて形を変形できる感覚が新鮮です。


そんな「すずがみ」作り体験に挑戦。

 

つるりとした無地の薄い錫の生地を、柄のついたかなづちで叩いていきます。

まずは職人さんに手本を見せてもらいます。

 

軽々とリズミカルに打ち付けていく作業はいたってシンプル。

 

ですが、実際にやってみると、柄がきれいにならばなかったり、打ち付ける強さにムラがあったり、なかなか均一にいきません。

 

悪戦苦闘しながら何とか完成!

 

不揃いではありますが、よく言えば味わい深い一品に仕上がりました。

 

硬くて冷たいイメージの金属を、柔らかく温かみのあるアイテムに生まれ変わらせた「シマタニ昇龍工房」で、金属の無限の可能性を感じてみてください。


シマタニ昇龍工房

住所
富山県高岡市千石町4-2
電話番号
0766-22-4727
営業時間
月〜土9:00〜17:00(見学・体験は要予約)
WEBサイト
http://www.syouryu.com
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